森毅著「魔術から数学へ」

「魔術から数学へ」という本について紹介する。

今回は「魔術から数学へ」を紹介する。

非常に平易な言葉で、算数のような内容であるため誰にでも読めるところが好評価だ。それでいて数学史の一端を齧ることができる。

例えば、無限∞の存在は時代によって扱いが違う。ある時期は、無限はどれだけ行ってもまだ続くことから半端な印象を持たれ、神の作った世界に相応しくないとして黙殺した。
一方、∞こそが神の絶対性を示すんじゃないかと∞を神聖視する時期もあった。
その違いにより、数学の発展は全然違うものになったことは言うまでもない。

対数logは位取り法が発明され、小数で数を表せるようになるのと同時に生み出された。
logというと、高校生の半ばで学び、数学嫌いを続出させる難しい分野という認識があるようだが、発生は小数と同時期なのだ。
何故logの概念が生まれることになったのかは本書に任せる。

他にも、3次方程式の解の公式であるカルダノの公式で有名なカルダノと本来の3次方程式の解の公式の製作者フォンタナ、そして四次方程式の解の公式の製作者フェラリの三角関係が描かれている。

数学史は面白い。
この本には記載がないが、コーシーの逸話を話そう。
コーシー列で有名なコーシーは数学学会で投稿された論文の審査役員の一人だった。当時は、審査役員は何人も居たが、投稿された論文を読むのは一人だった。

あるとき、ガロアという若き天才(当時は無名)から論文が届いたのだが、コーシーは封を開けることなく引き出しに放り投げて閉まってしまう。コーシーはそれを忘れ、論文は紛失した扱いにされる。当然ガロアは再度提出するが、またしても学会は紛失。ガロアは精神を病み、決闘した末死ぬ。20歳の若さだった。

コーシーは同じことをもう一人にもしていて、アーベルという天才もコーシーの物忘れによって死んだ。

後、コーシーの引き出しから彼らの論文が発見され、高評価を得ることになる。

「魔術から数学へ」は、数学史の触りとしては良い本だ。

◆◆魔術から数学へ / 森毅/〔著〕 / 講談社




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ABOUTこの記事をかいた人

・東京理科大理工学部数学科一年の大越英叶。 ・みんなからは親しみを込めて「えいとさん」とよばれる。 ・読書、哲学、数学、クラシックがだいすき。 ・世の中は無常だということを最近理解し始めた。 ・好きな分野:哲学.倫理学.物理学.数学.神学.神話.タロット.C言語.文学.古典.その他 ・苦手な分野:歴史.芸能.地理.時事.ファッション.芸術.アニメ.漫画.経済.その他