惜しいと実力

昨日、塾のアルバイトをしていた時のことだ。

ある生徒は問題を間違えるたびに、「ああ!惜しい!」と言った。

どんな間違いをしたのか見てみれば、計算ミス、問題の読み間違えを始め、絶対に惜しくないだろうと思われるものも沢山あった。

おい、それ本当に惜しいのかよと思うと同時に、あれ、これ昔の自分だと思った。

「惜しい」とは何か?

惜しいってなんだ?

大学で、私は周りを見ると惜しい惜しいとそれはまるで呪文のようにみんなが唱えている。

惜しいから何なの?
私はいつもこう思う。

なぜ人は惜しい、惜しかったと言うのだろうか?
私は考えた。

「惜しい」ということで、自らの”失敗した”成果を成功に近づけ、それにより満足感を得ている。

これが結論だ。
結局、自分を慰めるために惜しい惜しいと言っているのだ。

50点未満が再試験の時に49点を取ってしまって「惜しい」の一言。
それ、全然惜しくありません。理由などいくらでも出てきます。

殆どの場合、努力不足

大抵の場合、50点ギリギリを狙って49点だったのだろう。妥当です。
50点を狙って51点なら妥当というはず。何故+1点は妥当-1点は妥当ではないのか?

結局惜しかったからしょうがないと自分を慰めるために「惜しい」と言っているのです。
これが20点をとってしまえば、「仕方ない」という言葉が出て来ます。

勉強しなかったのだから仕方ない。
問題が合わなかったんだから仕方ない。

そう言って自分を慰める。

問題が悪かった?

そんなの理由にならない。
その時、あなたは確かにその問題が解けなかったのだから。

解けない問題が解けなくて何が悪いのだろうか?

解ける問題ばかり指さして、解けない問題を直視しない。
これ、犯罪者が「他の奴らもやってるのになんで自分だけ」と騒いでいるようなものだ。
「いや、あなたも犯罪を犯したんでしょ?」と返されてしまう。

惜しいは本当に惜しい?

A君が仮にその試験で出題されうるすべての問題のうち、99%を解くことができたとする。
すると、実際の試験での出題が無作為に、つまり試験官があなたの解けない問題を故意に選ばない限り、A君は100点満点のテストで平均99点を取ることができる。

しかし、偶然にも実際の試験でA君の解けない1%からすべて出題されたならば、彼は0点をとってしまうことだろう。

これは「惜しい」と言えるか?
少なくとも世間一般の誰よりも惜しいように見える。
99点を取れる実力を持った人間が、その試験でだけ0点をとってしまうのだから。

なにをもつて惜しいとなすのか?

実力があったのにそれを出し切ることができないことが惜しいのか?
境界ぎりぎりであることが惜しいのか?
運が悪かったことが惜しいのか?

惜しいの定義はなんだ?
これらをごちゃ混ぜにして「惜しい」といえば、自己保身でしかない。

実力とは

実力が出せなかったとよく言うが、その実力は主観的なものだ。

まずは本当にそれだけの実力があるのかを検証しなければならない。

そうやって検証していくと、「できること」と「できないこと」がはっきりわかってくるだろう。
この「できること」は実力である。

「できること」が多ければ多いほど実力があるといわれる。

だから「できないこと」は実力ではない。

殆どの人がこれを理解していない。

実力が出せなかったというのは、「できること」ができなかったことを言う。

試験で偶然自分の「できないこと」が沢山出題されたとしても、それは自分の実力が足りないからできなかったのだ。ちっとも惜しくもなんともない。

実力が出せないのが惜しい?

しかし、実力が出せなかったからといって惜しいというわけでもない。

人前では緊張して本来の力が出せない、こういった本人の性質をすべて含めて実力と言う。

実力とは単なる「できること」ではない。

実力とは、「その条件下でできること」 と再定義しよう。

過去問は高得点だせるのに、本試験では出せない、これは実力がないということだ。

仮に、リーマン予想さえ解いてしまう大天才なのに、全身麻痺して脳しか動かせない人間が居たとしたら、彼には実力があるだろうか?

誰よりも頭の回転が早く、誰よりも情報処理能力があり、誰よりも発想力がある。
それなのに誰にも伝えられない。
だれも気づかない。

これは実力が測れないし、そもそも実力がないだろう。

まとめ

その条件下でできるようにする、これが実力を身につけるということだ。

試験場では緊張してしまうこと、こういう暗黙の前提を理解して、その対策をする。
これが実力だ。

「実力が出せなかった」「テストの問題が悪かった」「惜しい」

これらの言葉はあなたをダメにする。




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ABOUTこの記事をかいた人

・東京理科大理工学部数学科一年の大越英叶。 ・みんなからは親しみを込めて「えいとさん」とよばれる。 ・読書、哲学、数学、クラシックがだいすき。 ・世の中は無常だということを最近理解し始めた。 ・好きな分野:哲学.倫理学.物理学.数学.神学.神話.タロット.C言語.文学.古典.その他 ・苦手な分野:歴史.芸能.地理.時事.ファッション.芸術.アニメ.漫画.経済.その他